うさ子戦隊エリザベス

 

ストーリー

第17話「くじけぬこころ」

光に包まれたレッドの目の前に、エネルギー体が現れた。シルエットが変化していき、亜弓の姿になる。そして襲い掛かってくる。自分の姿をしているが、レッドは容赦せず斬りつけていた。斬るたびに煙のように散るエネルギー体。埒が明かないと突進するレッドだったが、その瞬間エネルギー体は亜弓の母親に姿を変えた。動きの止まるレッドを、エネルギー体の腕が貫いた。

レッドが目をあけると、そこには幼少時代の亜弓がいた。亜弓は厳格な父親に叱られており、大人しい母親は助けてもくれない。外に締め出された亜弓に母親から声がかかったが、今は亡き姉と亜弓を比較し、姉を見習えば叱られることはないという助言だった。
その後、大人しくしていた亜弓だったが、離婚してからも姉の話ばかりをする母親に嫌気がさし、中学の頃に不良グループに入った。そしてある雨の日、口げんかをきっかけに家を飛び出してしまったのだった。
不良グループから抜けようとし、怪我だらけになった亜弓は、大雨降りしきる路地裏のゴミ捨て場にぐったりともたれかかっていた。そこへ1人の女性が通りがかった。彼女は躊躇することなく亜弓に声をかけ、助け起こした。その人物は、シルバーを見つけたときの亜弓と重なって見えた。
亜弓に声をかけたのは、マスター。他人事とは思えなかったんだと笑うマスターが、亜弓には輝いて見えていた。その光が自分を癒していることに気づくレッド。これらは走馬灯ではなく、今思い出すべき思い出なのだと思った。

すでにワイティはいなくなっていたが、残されたエネルギー体をブルーが叩いていく。そして光の外側で、グリーンがレッドを癒すべくアイテムをかざしていた。そこへ1人の女性をつれたマスターがやってきた。それが誰なのかを問う余裕はなかった。マスターは亜弓の名を呼び続けた。

マスターの声がレッドの耳に届く。レッドの目が開いた。逃げるもんかと立ち上がり、記憶に残る母親の姿をしたエネルギー体を、全身で抱きとめた。エネルギー体は消滅し、自分をまとう光が消えた。
光の中から現れたレッドは、心なしかスッキリとした表情で、マスターに笑いかけた。
そしてネイブルに素直じゃない礼を言うのだった。それにこたえ、ネイブルもからかうように笑って見せた。一瞬の平和なやりとりを終え、残されたエネルギー体に向かうレッドだった。

マスターのつれてきた女性が、晃司とひかりの名を呼んだ。


(つづく)