うさ子戦隊エリザベス

 

ストーリー

第10話「新しい色、新しいちから」

何度目かの戦闘を終え、いつも通り開店前のバーにてエリザベス会議が開かれていた。
議題はもちろん、操られた人間とどう戦うか。
相手は当然、生身の人間であるから、強くてもエリザベスにとっては赤子同然なのだ。傷つけずに戦うことは不可能と言える。
都合の良いアイテムを期待してシルバーを見つめるメンバーだったが、シルバーはあまり良い顔をしない。解析しきれていないアイテムを使うのは危険ではないかと言うのだ。しかし軽食を持ってきたマスターに促され、アイテムを取り出すシルバー。それを見てひかりが目を光らせた。まるで魔女っ子のために作られたかのようなピンク色のステッキを奪い、抱きかかえる。すると変身アイテムと呼応するかのようにステッキが光りだした。
同じように、メンバーそれぞれに対応すると思われるアイテムが宙に浮かび、目の前におりてきた。おそらく、変身アイテムとセットになっているのだと考え、ひとまずそこへ収納するように言うシルバー。変身アイテム内に収納できることを知らなかったメンバーが口々にツッコんだ。
アイテムの効果は、5つとも違う。
レッドのアイテムは刃物となり、何でも斬ることができる。
ブルーのアイテムはグローブとなり、拳に力を溜めることができる。
イエローのアイテムは盾となり、エネルギーを吸収、反射することができる。
グリーンのアイテムは、自分達が壊した物を直すことができる。
ピンクのアイテムは魔法のようにエネルギー弾を発することができる。
それを聞いてひかりがはしゃいだのは言うまでもない。

軽食を済ませ、やや和やかな空気の中、エネルギー検知装置が光ると共に、バーの勝手口からマスターの悲鳴が響いた。
エリザベスの正体を知らないはずのワイティが襲ってきたのだ。
あわてて変身し、屋根の上からバーの裏へ飛び込むエリザベスが見たのは、操られてしまったマスターだった。

エリザベスは逃げながらワイティを探していた。
しかしワイティは見つからず、マスターに追いつかれてしまう。
エネルギーを手に溜めるマスター。絶体絶命と思ったメンバーの前にレッドが立ちふさがる。1人で攻撃を受けようとしたのだ。
しかしその攻撃は当たらなかった。何者かがエネルギー弾を跳ね返し、マスターを気絶させたようだ。その正体がわからず、ただただ呆然とするエリザベス。そこへ異変を感じたワイティが戻ってきた。
気絶しているマスターを見て驚いている隙に、またしても操作機を壊され、あっさり逃げていったのだった。

目を覚ましたマスターとともに、アイテムの効果を試していたエリザベスのメンバー達。
そこへ1人の男性が客として入ってきた。
あわててアイテムを隠し取り繕うメンバーだったが、それをスルーして男性はマスターにカクテルを注文した。
彼の名は、ネイブル。わけあって偽名を使っているらしい。
カウンターに隠れたシルバーが、いわくありげな表情で「オレンジ…?」とつぶやいた。

(つづく)