うさ子戦隊エリザベス

 

ストーリー

第11話「おさわがせ、春一番!?」

碧の通う短大に、ワイティがやってきた。前回同様、エネルギーを探していて辿り着いたらしい。碧以外には見えていないようなので、彼女も気づかないふりをしていた。

なるべく多くのエネルギーを集めてから、より多くの人間を操ろうと、レーダーを見ながら歩き回るワイティに、声をかける女性がいた。驚くあまり、ワイティはその女性に向けて最大出力でビームを放ってしまった。思わず彼女を助け起こすワイティだったが、彼女は、すっかりワイティの部下になりきってしまったようだった。
操るというよりも洗脳に近い状態の彼女を見て、ワイティは妙案を思いついた。

校舎裏にて、碧がシルバーと通信していた。
ワイティが短大に来たことと、ビームが放たれた光を感じたこと、そして操られて暴れる人間がいないことを伝えると、変身して姿を隠し、様子を見に行った。道すがら、解放されたエネルギーが大きすぎたからか、検知装置が壊れたとシルバーが付け足した。
様子を見に行った先でグリーンが見たのは、天女の羽衣のような布をまとう妙にスタイルの良い美女が、男性を品定めしている不思議な光景だった。

ヴァイオレットと名乗るその女性は、めぼしい男性にエネルギーを吹きかけ、操っていた。はたで見ていると耳元でささやいてるように見えるため、グリーンには何が起こっているかわからない。ヴァイオレットの後ろにふらふらとついていく男性が増えていくのを見ているしかなかった。
ひとまず仲間を呼び出し、ヴァイオレットの前に立ちはだかるが、やはり操られる人間と戦うのは分が悪い。物が壊れても直すことができるが、人間となるとそうはいかない。
容赦なく戦うブルーをイエローが止めるが、ブルーは正義のために戦っているのだからと反発する。しかしレッドに正義を免罪符に使うなと言われ、口をつぐむ。またもピンチかと思ったそのとき、叩き落されそうになったグリーンを抱きとめる男がいた。
ネイブルだった。彼はグリーンの持つアイテムを見ると、アドバイスをしてきた。
そのアイテムは、命さえ奪わなければ人間を癒すことが可能だと。
疑いながらもためしてみると、エリザベスの傷が癒えた。驚いている間にネイブルは姿を消してしまった。好機とばかりに全力で戦い始めるブルー。見ていられなくなったピンクがヴァイオレットに攻撃し、操られた男たちを解放したのだった。
ヴァイオレットは飛んで逃げ、それをワイティが追うのが見えた。

翌日、短大へ着いた碧を待っていたのは、美女の噂と、噂の内容とは見た目以外似ても似つかないヴァイオレットだった。おっとりしていてドジ体質のようで、噂を聞きつけて迫る人々を呆れさせていった。碧は性格的に他人とは思えず、転んでしまったヴァイオレットを思わず助け起こすのだった。

(つづく)