うさ子戦隊エリザベス

 

ストーリー

第16話「鏡の新兵器」

惑星ラピーヌの、ダークブラウン総帥率いる謎の軍団の基地内、研究室。
グレイト博士はもうどうしようもないぐらい焦っていた。ワイティから全く朗報が入らなくなってしまったのだ。報告書は毎日届いているのだが、攻撃できたという一言すら書いていない。しかも、ヴェールに洗脳機能を載せていたので、もし不利になりヴェールを壊されてしまうようなことがあれば、洗脳が解けてしまうだろうと危惧していた。その前にこちらから何か行動を起こさなくてはと、最近完成した装置を一方的に地球へ送ることに決めたのだった。通信コストは、エネルギー豊富な地球にて着払いだ。博士は、これに成功したら今後も着払いでいこうと、振って沸いたアイディアを自画自賛したのだった。

ワイティの元に通信が入った。出ようとしないワイティを見かね、まだ洗脳されている振りをしているヴァイオレットが受信ボタンを押した。すると通信機の横に新しい装置が現れた。うなだれるワイティを見て、ヴァイオレットが具合が悪いのかと問う。あわてたワイティは、装置のスタートボタンを押してしまったのだった。
新しい装置に、あたりのエネルギーがすべて移されてしまい、ヴァイオレットの羽衣まで床に落ちてしまった。その場にいなかったネイブルはエネルギーを抜かれてはいないだろうとひとまず安心するヴァイオレットだが、新しい装置に一体どんな機能があるのかわからないまま、いちおう書いている報告書のため、今日も外へ出ようとするワイティを見て、どうしたら止められるのかと思い悩むのだった。

新しい装置はエネルギーを溜め込み、エリザベスの姿をしたエネルギー体となって、エリザベスに襲い掛かるようだった。それがわかったのが、エリザベスに遭遇したときだった。以前切られたヴェールの代用品をかぶったワイティは、その場から逃げ出したくなっていた。
エリザベスに近づいたエネルギー体は、それまでエネルギーを吸い取った人の能力を持ち、エリザベスに戦いを挑んだ。今まで無機物や人間と戦っていたエリザベスは、それまでにないパワーに圧倒されていた。しかし全力で戦えるとシルバーに言われ、それぞれのアイテムでエネルギー体を少しずつ減らしていったのだった。
そして、シルバーが言った。エネルギーの正体は、人の持つ負の感情であると。
それはトラウマであったり、ネガティブな気持ちであったりと、多様である。惑星ラピーヌでも吸収はできるのだが、量が少なく、限度があった。ひたすら溜め続けたいダークブラウン総帥は、地球のエネルギーを集めて自分のものにしたがっている。それにはまずエネルギーを使い地球を占領する必要があるのだ、と。
一同は驚いたが、すぐに思い直す。中でもブルーは、そんな想いは自分で克服できるんだと声高らかに言ってのけた。グリーンがこっそりツッコんだりもした。ただ、あとの3人はそれに乗り切れなかった。そして、シルバーも。さらに、ワイティまでも。グリーンには、なんとなくわかっていた。彼らにはまだ乗り越えられない想いがあるのだ。

装置は引き続きエネルギー体を生み出し、エリザベスに襲い掛かる。攻撃が直撃しそうなレッドの目の前に、ネイブルが立ちはだかり、攻撃を受けた。手にはシルバーが解析できていなかったアイテムがあった。
試練だと言いながら、それをエリザベスに向け、放つネイブル。レッド、イエロー、ピンクが光に包まれる。グリーンは、ブルーと共に残りのエネルギー体と装置をなんとかするから、がんばって、と、力強く笑って見せた。状況が読めないブルーにグリーンは、みんなも自分と向き合うときが来たんだと言い、エネルギー体に向かって走っていった。


(つづく)