うさ子戦隊エリザベス

 

ストーリー

第14話「もっと強く、もっと弱く」

夢の中。幼い頃の蒼太がトボトボと歩いている。ケンカをしたのか、体じゅう傷だらけだ。
両親が弁当屋を営んでいるため、いつも祖父に世話になっていることを、近所のガキ大将が何かにつけてからかってくるため、毎日のようにケンカをしていた。他にからかわれる子がいるときも、蒼太がかばってケンカをしていた。怪我をしては祖父に手当てをしてもらい、寝るまで一緒に過ごすのが日課だった。
あるとき、ガキ大将が体調を崩しているにもかかわらずからかってきた。蒼太はいつものようにケンカを売った。そして、勝った。それ以降、ガキ大将も取り巻きも蒼太を避けるようになってしまった。同時に、今までかばっていた子にさえ卑怯者呼ばわりされる日々が始まったのだった。
蒼太にとってみれば、正義のために戦っていたはずが卑怯者扱いされてしまったのだ。自分が間違っているとは思えなかった。しかし、祖父は蒼太に、叩きのめすばかりが正義ではないと言うのだった。
中学生の頃、祖父が病に倒れた。学校で呼び出され、病院へと走る蒼太は、不良にぶつかり因縁をつけられてしまった。卑怯な手を使ってケンカをしようとする不良に怒る蒼太だったが、その中にガキ大将との件を知っている者がいて、蒼太も同じじゃないかとふっかけた。断じて否定する蒼太だったが、目的が違っても、卑怯な手段を使えば同じ卑怯者なんだと笑う不良たち。そこで、夢から覚めた。
結局、傷だらけで病院にたどり着いたときには、祖父は息を引き取っていたのだった。

蒼太は今でも祖父の言葉の意味が心から理解できないでいた。
憂鬱な気分のまま、マンションの公園にたたずむ蒼太に、碧が声をかけた。そこで思い出した。卑怯者呼ばわりされていた頃、店から帰るときに見かけた、泣きながら走る少女を呼び止め、話を聞いたことを。少女は両親にかまってもらえないことを話した。蒼太は自分と同じだと思ったが、自分には祖父がいる。少女の、自分にとっての祖父のような存在になりたいと考えた。蒼太にできたのは、黙って話を聞き、ときどきうなずいたり、自分の話をすることだけだったのだが。

それを思い出した蒼太は、碧に両親とうまくいっているか尋ねた。少しずつだけど、距離が縮んでいると言う碧は、照れくさそうながらも、とても幸せそうだった。そして、蒼太が両親とうまくいくことを望んでいるとも話した。なぜうまくいっていないのか知っているかと問うと、碧は、昔聞いたから、と答えた。そこで確信した。昔会った少女が碧だということを。
自分にとっての祖父のような存在、そうありたいと思うことが、祖父の言う正義に近いのだろうかと話す蒼太を見る碧の目は、とても優しかった。

商店街から悲鳴が聞こえてきた。ワイティが来たようだ。変身して向かうと、商店街の人たちが操られていた。拳に力を溜めるブルーに、ピンクが叩けるかと問う。たとえ傷が癒えたとしても、殴った事実は自分に残るのだと話すピンク。今自分たちにできることは、最小限の攻撃と最大限の防御、そして諸悪の根源を叩くことだとレッドが言い、グリーンがブルーの背中をそっと押した。軽くつんのめるブルーをイエローが抱え、ワイティの前に投げ飛ばした。ブルーの拳でワイティが飛んでいき、ヴァイオレットもあわてて逃げ出した。
商店街の人たちを癒すグリーンに、ブルーは晴れやかな笑顔で、自分も両親に少しわがままを言ってみると話すのだった。

(つづく)