うさ子戦隊エリザベス

 

ストーリー

第13話「おおきな子ども」

休日のこと。数人の男を引き連れて、ヴァイオレットが街を歩いていた。
姿を消したワイティが横にいる以外は、モデルとその取り巻きの闊歩といった雰囲気だ。
歩きながらもエネルギーは集まってきており、ワイティはそのエネルギーが一体なんなのかわからないまま、操作機を抱え楽しそうに歩いていた。
ヴァイオレットは平日と違うメイクで、正体がバレないように祈りながら歩いていた。
転んだときに助けてくれた碧が、その直後に同じように転んでしまったのを見て、他人とは思えず、仲良くしたいと思ったのだ。しかし洗脳は消えていないため、地球侵略を否定する気持ちは全く無かった。せめてもの対策として、侵略時と生活時の見た目を切り替えようと努力しているのだった。
しかしヴァイオレットが歩いていたのは、バーの近く。前方から碧が来るのが見えた。内心戸惑うヴァイオレットだったが、碧は気づくことなく通り過ぎた。

バーに着いた碧は、操られている人々がいたことを伝えた。思いきり戦えると喜ぶ蒼太だったが、亜弓にたしなめられ、逆になかなか全力で戦わないことを指摘し、リーダーの資格が無いと文句を言うのだった。
ひかりは相変わらず魔女っ子ぶっていて楽しげなのに、なぜ自分だけ注意されるのだろうと不思議がる蒼太に、ひかりは無邪気に笑うのみだった。

エリザベスが操られている人々に追いついた。いつしか慣れた登場ポーズもきまり、ブルーが先手をしかけた。しかし操られている人々は抵抗する様子を見せない。イエローがブルーを制し、あたりをうかがうと、エリザベスを囲む人々からいくらか離れたところに、ワイティとヴァイオレットが立っているのが見えた。
レッドは、人々を攻撃させ、エリザベスを悪者にしてしまおうという魂胆だと考えた。
正義のために戦っているのになぜ悪者になるのかと問うブルーに、答えられないレッド。
ただ近づいてくるだけの、操られている人々を押し返すエリザベス。その中からピンクが飛び上がり、ワイティとヴァイオレットに向かって魔法弾を放った。それは操作機に当たり、人々の動きが止まった。ワイティとヴァイオレットは逃げながらエネルギー弾を放った。
その弾をイエローが盾で受け、吸収しきれず跳ね返った分が、まだ攻撃していたブルーに向かった。しかし、弾は宙へ消えた。グリーンがブルーを突き飛ばしていたのだ。
呆然としているブルーに、抵抗の無い人間を攻撃してどうする、とレッドが怒鳴る。
操られていた人々を癒すグリーンを見やるブルーの考えを察し、イエローは、命を物と一緒にしている人間が正義を振りかざすのは間違っていると言う。なぜ自分ばかり責められるのかと立ち尽くすブルーに、ピンクがとびかかり、おんぶをせがむのだった。

1人で公園にいる蒼太に碧が近づく。助けてくれた礼を言う蒼太に、昔のお返しだと答える碧。きょとんとする蒼太を見て、碧は、覚えてないんだね、と笑うのだった。

(つづく)